競馬の調教タイムの見方と基準は?

調教の見方

競馬の調教は多くの方がタイムと映像を見て予想の参考にしていると思いますが、中には見方が分からずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

映像ならなんとなく競走馬の調子を判断出来ても、タイムだと見方を知っていない限り予想の参考には出来ないと思います。

複雑だというイメージを抱いている方もいらっしゃると思いますが、いくつかのポイントをタイム基準を知っておくことで簡単に馬券に反映させることが可能です。

そこで、この記事では調教タイムの見方と基準について詳しくご紹介していきたいと思います。

調教タイムの見方を紹介

調教の情報を見ると、4つの数字が書かれていると思います。これは、1ハロンごとのタイムが掲載されていることを意味し、全ての数字を活用することが重要になります。

例えば、以下のようなタイムだったとします。

65.4 50.2 36.5 11.8

これは全体(5ハロン)のタイムが65.4秒で、最後の4ハロンを50.2秒、最後の3ハロンを36.5秒、最後の1ハロンを11.8秒で走ったということになります。

5ハロン目から4ハロン目までは15.2秒で走っており、4ハロン目から3ハロン目までを13.7秒で走っているということも読み取ることができますね。

つまり、ハロンごとのタイムの差を計算するとラップタイムを把握することも出来るということです。

全体とラスト1ハロンのタイムが特に重要

上記の調教タイムの中でも全体のタイムとラスト1ハロンのタイムが重要になります。

全体のタイムは他の調教時と比較する時に一番分かりやすいタイムなので、最も注目するタイムだと思います。

そして、全体のタイムだけではなくラスト1ハロンのタイムも重要です。レースでの最後の直線200mの部分となるため、どれだけ最後に力を出せるかを把握することが可能となるのです。

もし他の競走馬と調教でタイムで比較する時に全体タイムが同じだった場合、ラスト1ハロンのタイムが早い方の評価を上げてもいいかもしれませんね。

タイム以外の情報も参考にするべき

調教の情報を見ると、必ずタイム以外にも多くの情報が掲載されています。タイムだけを見てしまうとほとんど意味がなく、馬場状態やコース、強さや走った位置なども駆使して詳しく情報を考察する必要があります。

  • 調教の強さ:馬なり、強め、一杯などで表示される
  • 走った位置:これは枠みたいなイメージで問題ありません。外の方が大回りになってしまうため、内よりもタイムは遅くなります。
  • 併せ馬の内容:単走じゃない場合は、一緒に走った競走馬の名前やクラス、着差などが表示されます。
  • 調教場所:栗東のトレセンなのか美浦のトレセンなのか、それとも別の場所なのかが表示されます。
  • 走ったコース:調教場所の中でも、ウッドチップや坂路、芝、ダートなど色々なコースがあり、コースによってタイムも大きく変わってきます。
  • 馬場状態:普段のレースの時と同じように、良、稍重、重、不良の4つで表示されます。

上記の全ての条件が変われば、タイムも変わってくるので必ず確認する必要があります。基準タイムなどは存在していますが、馬場状態や走った位置、強さでも全然タイムが異なるので、覚えておきましょう。

調教の基準タイムをご紹介

上記でもご紹介したように、一重に調教と言っても走る場所、コースが異なればタイムが変わってくるのは当たり前ですよね。

しかし、基準のタイムを知らないと、調教タイムを見た時にこれが良いのか悪いのかの判断をすることが難しくなると思います。

そこで、以下では各コースごとの特徴や基準タイムをそれぞれご紹介していきたいと思います。今回は各場所の中でもメインで使用されるコースの基準タイムに絞って解説していきます。

栗東坂路

まず最初にご紹介するのは栗東トレセンの坂路での調教タイムです。この栗東坂路は頻繁に利用される調教コースとなっているため、最初に覚えるべきだと思います。

美浦トレセンよりも傾斜が急な坂が続いているので、競走馬に大きな負荷をかけることができるトレーニングには最適のコースですね。

基準タイムは以下のようになります。

4ハロン:53.7 3ハロン:38.7 1ハロン:12.4

多くあるコースの中でも負担がかかるだけあり、タイムは非常に遅くなっています。このコースで優秀なタイムを残せる競走馬は要チェックですね。

栗東ウッドチップ(CW)

次にご紹介するのは、栗東のウッドチップです。ウッドチップのコースとはその名の通り、木の欠片を敷き詰めたコースになります。

脚への負担が少なっていますが、距離が坂路よりも長くなっているので、スタミナが付きやすく多くの調教で使用されています。

基準タイムは以下のようになります。

6ハロン:83.0 5ハロン:66.9 4ハロン:52.2 3ハロン:38.3 1ハロン12.3

坂路よりも長いので6ハロンまでの表記となっています。6ハロンを基準タイムよりも早い80秒台で走ることができれば優秀なタイムとなります。

美浦坂路

美浦の坂路は栗東と比較すると、高低差が少ないためタイムは早くなる傾向になります。

その分、競走馬への負荷が少なっていることでもあり、トレーニング施設としては栗東に劣っているとも取れますね。しかし、現在坂路コースは改修工事の真っ最中で、高低差をさらに出しより負荷がかかるコースへと生まれ変わる予定です。

基準タイムは以下のようになります。

4ハロン:53.6 3ハロン:39.1 1ハロン:12.6

栗東坂路と比べると基準タイムにそこまで大きな差はありませんが、しっかりと基準タイムを上回っている競走馬に注目したいですね。

また、美浦の坂路は最後の50mが急こう配となっているため、1ハロンのタイムは栗東よりも遅くなりがちですね。急こう配でも変わらず高水準のタイムを出しているということは、最後まで走り切れる証拠でもあると思います。

美浦ウッドチップ(W)

最後にご紹介するのは美浦トレセンのウッドチップです。元々はウッドチップのコースも栗東に劣ると言われていましたが、改修工事が行われより細かいウッドチップを使用することで、競走馬の脚への負担を少なくしつつ負荷を大きくすることに成功し、しっかりと成長出来るコースとなっています。

基準タイムは以下のようになります。

6ハロン:83.4 5ハロン:67.4 4ハロン:52.4 3ハロン:38.7 1ハロン:12.5

このコースでは、競走馬のスピードとスタミナの両方をチェックすることができ、全体的に基準よりも早いタイムが出ていれば、状態は非常に良いと判断することができます。

まとめ

今回の記事では、調教タイムの見方と各コースの基準タイムについて詳しくご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?

調教タイムは、状況によって大きく変動するので、タイムだけを見ても全く参考にならないと思います。

どこの場所で、どんな状況で、どの競走馬と走ったのかをしっかりと確認し、基準タイムと合わせてチェックすることでしっかりと競走馬の状態を判断することができるようになります。

今回ご紹介した基準タイムはあくまでも基準となっているので、その競走馬が過去にどのようなタイムを出していた、その時のレース結果だったのかは比較した方が良いですね。

好調時のタイムを知り、それを基準に判断するというのも一つの手だと思いますよ。