競馬の調教師になるにはどうしたらいい?仕事内容も解説

調教の豆知識

競馬には、馬券を当てるだけではなく、競走馬の熱いレースや騎手の活躍、運営陣の戦略など様々な魅力があります。

競馬ファンの多くは、馬券を買ったり競馬場に行くことに留まっていると思いますが、熱烈なファンの中には馬に携わった仕事に就きたい!と考える方も多いと思います。

競馬の予想をするYouTuber、専門誌の予想、競馬サイトの運営なども競馬に関係する仕事の一つですが、より馬に近い存在と言えば調教師ではないでしょうか?

そこで、この記事は競馬の調教師になるためにはどうすれば良いのか、調教師は一体どんな事をしているのかを詳しくご紹介していきたいと思います。

調教師って一体何をしている人?

調教師とは、馬主から競走馬を預かり、調教の内容を決めたり、厩舎で世話をしたり徹底的に管理する仕事のことです。

その馬の力を、レースで最大限発揮できるよう調教し、調整を行います。馬主から任せられているので、責任は重大ですが、思ったようにレースで好走してくれた時に喜びは大きいでしょう。

以下では、調教師の仕事内容について詳しくご紹介していきます。

競走馬の全てを管理する

調教師は自分が経営し運営している厩舎で競走馬を預かり、トレーニングからレース出走の手続きなど様々なことをしています。

競走馬を見抜く力がないと成り立たず、適性距離、特徴、性格などを正確に把握し、それらに合わせたトレーニング内容を決め、最適なレース選択を行う必要があります。

馬主との打ち合わせや交渉なども仕事の一つですね。また、騎手とレースの展開やどういう運びするかなども一緒に決めたりします。

良い馬を見つけることも仕事の一つ

調教師は馬主や、獣医などのとの付き合いもありますし、競馬記者への対応なども行います。有名な調教師になると、テレビなどのメディアに登場することも多く、厩舎経営には欠かせない仕事の一つです。

また、牧場やセリにも足を運び、良い馬を見つけて馬主に知らせることも重要です。調教師としての名を上げるためには、競走馬に最適なトレーニングを見つけて管理することも大切ですが、高い能力を持った競走馬を調教することも必要になります。

一人で管理するわけではない

競走馬を管理するのは調教師だけではありません。馬の世話を行う厩務員や調教の補助をする調教助手などがおり、担当する騎手も含めてチームとなって調教を行っていきます。

自分一人では成り立たないので、厩務員や助手の育成も仕事の一つと言えるでしょう。

大きな目標としては、任された競走馬をしっかりと育て上げ、レースでいい成績を残せし、多くの競走馬を預かり厩舎を発展させていくことです。

調教師の1日

競走馬の調教は通常では朝3時から始まるので、その調教に間に合うように起床します。調教はだいたい9時ころに終わるので、その後は他のスタッフと打ち合わせなどを行います。

一旦、休憩が入り14時ころになると競走馬の世話を行ったり、馬主に馬の状態や今後などを報告します。

その後は、予定はありませんが、常にトレーニングの日程や調整、健康の管理などを行うため、休む時間はあまりないかもしれませんね。

どれだけ遅くても22時には寝る方が多いと思います。競馬に関する仕事はかなり朝が早いというのは有名な話ですよね。

調教師になるためには?

調教師の仕事内容についてはお分かりいただけたでしょうか?簡単なお仕事ではないですが、達成感もありますし、年収も非常に高いのでやりがいがある仕事だと思います。

ここからは、調教師になるためには一体どんな事が必要で、どんな事をすれば良いのか今回は、一般的な流れを詳しくご紹介していきたいと思います。

大学や専門学校で馬について学ぶ

調教師になるには、まずは厩務員や調教助手になる必要があります。その厩務員になるには競馬学校に入学する必要がありますが、厩務員過程の募集要項を見ると…

「牧場経験及び騎乗経験が2年以上あり、牧場における競走馬・育成馬騎乗経験が1年以上ある人」

という項目があるため、普通高校を卒業した方などがいきなり入学することができないのです。

最も効率が良いのが、中学卒業後に馬の専門学校に行き、騎手や厩務員になるための知識や技術を学びながら高校卒業の資格も取るということですね。

学校の中には高校卒業の資格が取れないケースもありますが、万が一途中で他にやりたいことが見つかった時などのためにも高校卒業の資格は取っておくべきでしょう。

馬の専門学校は日本に多く存在しているので、いくつかご紹介しましょう。

  • 国際馬事学校
  • 東関東馬事高等学院
  • アニマル・ベジテイション・カレッジ

興味がある方は、上記の3つの学校を検索してみて下さいね。

厩務員や調教助手になる

調教師の資格を取ることができるのは、28歳以上となっています。そのため、学校を卒業した後すぐに調教師になれるわけではありません。

多くの方がどこかの厩舎に採用してもらい、厩務員や調教助手として多くの経験を積み、知識や技術をしっかりと身に着けた上で調教師を目指すのです。

下積み時代はとても長いですが、それだけ調教師になる事は簡単ではないということです。馬を見る目をしっかりと鍛え、的確な管理をしない限り馬主に競走馬を任されることはないのです。

また、知識や技術を学ぶだけではなく、人脈の確保も率先して行う必要があります。調教師になった際には、自分で厩舎を運営する必要がありますが、人脈を活かし色々な方の協力がないと起動に乗るまでの運営は非常に難しいと思います。

調教師の資格を取る

JRAが運営する中央競馬と地方競馬では、基本的な調教師になる資格が異なります。そのため、地方競馬の試験に合格しても中央競馬の調教師にはなれませんし、その逆もまたしかりです。

【中央競馬の調教師】

日本中央競馬会(JRA)の競馬学校厩務員を無事に終了し、日本調教師会が行う調教師試験に合格すること。

【地方競馬の調教師】

JRAの競馬学校、もしくは地方競馬教養センターに入所し厩務員課程を学び、地方競馬全国協会が行う調教師試験に合格すること。

調教師試験では、1次試験は身体検査と学力試験が行われ、2次試験は口頭試験と人物考査が行われます。

合格率は10%以下と言われており、超難関となっています。28歳以上で受験することはできますが、多くの方が30代から40代です。厩務員や騎手、調教師助手で専門的な知識をきちんと身に着けていないと合格することは難しいでしょう。

また、競走馬に乗って調教を行うことももちろんあるので、体重は60kg以下にしないと調教師にはなれません。50kg台でもギリギリなので、体重や体調の管理は必ず行うようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、競馬の調教師の仕事内容や、調教師になるための流れについて詳しくご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?

馬が大好きな方なら天職とも言える調教師。憧れる方は非常に多いと思います。しかし、誰でも簡単になれる訳ではなく、きちんと経験を積み知識や技術を磨き、難関と言われる試験に合格する必要があります。

また、厩務員の募集要項では、28歳以下となっていることが多いため、年齢を重ねた後に調教師になりたいと思っても難しいものがあります。

本気で調教師を目指したいのであれば、早い時から計画を立ててしっかりと動き、着実に経験を積み重ねていく必要があるのです。まずは、厩務員、調教助手になることを目指し、馬についての知識を深めていきましょう。