競馬の調教の追い切りってどういう意味?

調教の豆知識

競馬の調教では、様々な情報から競走馬の状態を判断することが可能となります。馬券に活かせる情報が多々あり、きちんと確認することで予想の精度を高めることができます。

調教の中でも特に大切なのが「追い切り」の情報です。競馬新聞や競馬サイトでも、基本的に掲載されているのは追い切りのタイムや映像になります。

しかし、中には追い切りとは一体どんなものなのかご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、この記事では調教の中でも追い切りに注目してご紹介していきたいと思います。

調教の追い切りとは?

調教の追い切りとは、簡単に言えばレース前の最後の調教の事を指します。レースに向けて競走馬の状態を上げていくために行うもので、追い切りの情報を基に予想を行っています。

以下では、追い切りについてさらに詳しく解説していきたいと思います。

追い切りの語源とは?

追い切りと呼ばれるようになったのは、レースに向けて競走馬を最高の状態に持っていくためしっかりと”追い切きる”ことからこの言葉が誕生しました。

馬の状態によっては、追い切りでもそこまで強めの調教は行わず、軽めに行う時もあります。その場合は、調教が上手く行っているため現状維持をする場合と、競走馬に疲れが見えているためレースに影響しないようにするケースの2パターンがあります。

どちらのパターンなのかを判断することは、予想に反映させるには重要なことなのでチェックを怠らないようにしましょう。

追い切りが行われるタイミングは?

追い切りが行われるのは、レース開催週の水曜日か木曜日がほとんどです。疲れを残さないようにするためにもレースの3,4日前に行うことが一般的となっています。

そのため、追い切りの情報は早ければ水曜日か木曜日の夜には分かるので、じっくりと予想を行うことができますね。

また、調教師の判断によっては、追い切りの後に軽めの調教を行う時もあります。

調教の情報には、いつ行われたかの日付が必ず記載されているのでチェックを忘れずにしましょう。

追い切りは予想に最も重要

調教の情報の中でも追い切り情報は予想を行う際に最も重要な要素となります。レース前の最後の調教になるので、競走馬が今どんな状態なのかを判断することができます。

たとえ、長期休養後だったとしても追い切りのタイムが良く、状態が良いと判断できた時には、好走する可能性が高くなります。

しかし、レース当日にコンディションが変わっている可能性もあるので、追い切りの状態が良かったとしても過信することはせず、パドックや返し馬で最終確認することは必要です。

追い切りの情報を参考にする時のポイント

多くの競馬サイト等では、追い切りの情報のみを掲載していることも多くあり、それだけでも十分なファクターとなり得ますが、さらに予想の精度を高めるには、もっと多くの情報を集める必要があります。

そこで、ここからは追い切りの情報を参考にする時に、注目するべきポイントについて詳しくご紹介していきたいと思います。

調教の期間も重要

競馬において調教を確認する時には、追い切りの情報は重要ですが、それ以前の調教を軽視することはできません。

調教は約2ヶ月前くらいからレースに向けて調整していくことが理想と言われています。

しかし、前走のレースの疲れが響いている時や、放牧の関係で調教の期間が短くなるケースもあります。

その時には、どこかで無理をしている可能性が高く、急ピッチで仕上げていることになります。

いつから調教を開始し、どのような流れで追い切りを行ったのかも必ずチェックするようにしましょう。

調教で一杯をどれくらいしているのか

調教には馬なり、強め、一杯の3つが基本となりますが、どれほど一杯の調教を行っているのは重要です。

一杯の調教を何本も行えるということは、それだけ体力が残っている証拠でもあり、元気一杯であるとも捉えることができます。

多ければ良いという訳ではないですが、ほとんど一杯で調教をしていない時には不安が残ります。

レースへの出走が多く、疲れが蓄積されていると判断し、馬なりばかりの調整を行っている可能性もあるので、馬なりだけではなく一杯での調整が多い方が印象は良くなります。

状況によっては1週間前くらいまでに一杯で走って、追い切りでは軽めの調整を行うパターンもあるので、追い切り情報だけではなくその前の期間の調整も重要になるのです。

追い切りを行った場所も重要

調教を行った場所によってタイムに差が出ることはご存じの方も多いと思います。

坂路では、傾斜があるコースで調教を行うため、タイムが遅くなりますし、逆に芝やポリトラックでは早いタイムが出やすいので比較する時には必ずチェックする必要があります。

また、普段は追い切りを坂路で行うにも関わらず、今回はポリトラックで調整したり、プールでの調整を行うなど、いつもとは違う場所で追い切りをしている時には、何かしらの不安、異常がある可能性があります。

予想するレースの追い切り情報だけだと判断が出来ないので、以前の追い切り情報を確認することも重要です。

タイムの差ばかりに着目されることが多いですが、どこの場所でどのコースで行ったのかもチェックした方が良いでしょう。

外厩の有無

最近の競馬界では競走馬を万全な仕上がりに出来るとして、外厩というものが大きく注目されています。

基本的に厩舎で調教を行うことが多いですが、在籍している競走馬の数は非常に多くどうしてもストレスが多くかかってしまいます。

一方、外厩では競走馬の数が少ないですし気候も良く、厩舎で行う調教よりも良い環境でトレーニングに打ち込むことが可能となります。

調教に集中することができるので、レースに向けて良い状態で挑むことができるのです。競馬場に近いことが多く、輸送のストレスを軽減できるという魅力もあります。

外厩に行った時には、どのタイミングで行っているのかは大切です。レースの1か月前くらいではそこまで意味はないので、出来ればレース直前で外厩調整をしている競走馬に注目しましょう。

競走馬ごとの追い切り傾向を確認

競馬では、追い切りで良いタイムを出していた=レースで勝てるということには直結しません。

もちろん、良いタイムで走っていた方が状態が良いと判断できますし、能力が高いことの証明にはなります。

しかし、競走馬によっては良いタイムを残していたにも関わらず、全くレース結果を残していない競走馬もいます。

逆に、追い切りでは全く状態が良いとは判断できなかったのに、レースになると力を発揮し結果を残す場合もあります。

競走馬ごとに追い切りとレース結果の傾向を判断し、タイムだけで判断を下さないようにする必要があるでしょう。

まとめ

今回の記事では、競馬の調教の追い切りについて詳しくご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?

調教は追い切りの情報が非常に重要で、最後の調整なので競走馬についての情報が多く詰まっているため、いろいろなサイトや新聞でも情報が掲載されていると思います。

もちろん、追い切りの情報は大切ですが、より詳しく状態を知りたいのであれば、その前の調教も確認する必要があるでしょう。

また、競走馬の特徴や外厩の有無など、サイトや新聞に載っていない情報と合わせて判断することで勝率を上げることができるようになると思いますよ。

追い切りの情報を見る時には、それ以外の情報も必ずチェックするようにしましょう。